間取りの大切さ|-だんらんスタッフブログ-|
2023.03.24
こんにちは。リフォームコーディネーターの渡辺です。
リフォームのご依頼には、使用している設備品が壊れたので交換したいという場合と、
不便に感じている部分を直し、快適に過ごせる家にしたい、というご依頼があります。
前者は今ある物と同じ物を交換すればそれで済みますが、
後者は考える必要があるので、会社によってご提案する内容が異なり、
だんらんとしての力量が試される部分でもあります。
(もっとも前者であっても私は既存と同じ物ではなく、より良い物をご提案したい、
と常に思っていますが。)
さて、この後者の場合で本日は間取りについて、
私、個人的な意見としてお話をしたいと思います。
大豪邸とか、いくらでもお金をかけていい、という場合を除き、
日本の住宅は部屋の広さが限られます。
その限られた全体の床面積の中でいかに無駄なく部屋や収納をとるか、
それはかなり重要なことだと思います。
一度間取りを決めてしまったら、気に入らないからとすぐに変更することは難しく、
何十年とそのままの間取りで生活することになる・・・
そう考えると間取りを考えるのはかなり責任が重いと思います。
たとえ畳半分のスペースでも無駄なスペースだったら、何十年も損をすることになるのです。
私はその不便な間取りをより良くすることを考えるのが好きです。
依頼されてもいないのに、お客様の家に訪問すると、つい、ここを変えたらどうなるかな、
と考えてしまいます。
間取りはそれぞれメリットとデメリットがあり、全てメリットばかりでは無いので、
どこを優先したいか、により選択する内容が変わります。
今回はあるお宅の既存の間取りとリフォーム後の間取りを紹介します。
今回のご要望は、
『畳敷きのダイニング(和室)をフローリングにして、テーブルが置けるダイニングルームにしたい』
ということでした。ただし、予算の都合上キッチンは交換しないのでキッチンはそのままです。
また、収納は確保したいとのこと。
既存のダイニングは廊下に面した壁側にテレビを置いてあり、少し狭い印象でした。
このままダイニングの収納を撤去してフローリングにすれば広くなりますが、
それでは収納が無くなってしまいます。
ここで、私は廊下のスペースに注目しました。
この廊下はバルコニーに直接行かれるということと、各部屋に廊下から行かれるというメリットがあります。ですが、この家の全体面積から考えても廊下が占める割合が多すぎて、無駄なスペースだと感じました。
そこで、私がご提案したのは
ダイニングの窓を掃出し窓に変えて、ダイニングからバルコニーへ行かれるようにする・廊下だったところに収納を設置するということです。
そして、次のように間取りを変えました。
●廊下のスペースを収納にし、同じ収納量を確保。
これにより、ダイニングの有効スペースを7.5畳に広げた。(プラス1畳は廊下からのスペース)
●廊下の位置を変更して入口からダイニングへの動線を短くした。
●廊下の収納も位置を変えたが収納量は変わらず確保。
●洋室6畳のタンス置き場も設置。
●台所への入口位置を変更して玄関から入ったときに正面に台所が見えないよう配慮。
全体面積は全く同じですが、間取りを変更するだけで、ダイニングが広くなりました。
収納量は変わっていません。
勿論これには、ダイニングからバルコニーへ出るというデメリットもあります。
ですが、このお客様はダイニングから出ることには何の問題も無いとのことでしたので、
部屋を広くすることを優先しました。
ダイニングを広くして欲しいというご要望は無かったのですが(お客様は諦めていました)
折角リフォームするなら少しでも部屋を広くした方が良いと思い、ご提案させて頂きました。
結果的に、最初のご要望は勿論、プラスアルファで部屋を広くするということを実現し、
とてもご満足して頂けました。
少しの工夫で印象は変わります。
やはり間取りを考えることは大切なことだと改めて実感した経験でした。